コバネイナゴ(№343)

 収穫の秋です。あちこちで稲を刈るコンバインが動き回っています。カマで刈っていた昔と違いコンバインが走り出すと瞬く間に稲が刈られ、後には細かく切られた稲わらが撒かれていきます。稲刈り作業中の田の畦に立つと、イナゴが逃げ出す場面を見ることが出来ます。
イナゴには翅が体より長いハネナガイナゴと短いコバネイナゴが見られますが、いずれも戦後の食糧難の時代には蛋白源としてよく食べられました。今では、珍品として酒の肴に上がることもありますが脚や翅は藁をかんでいる様なものでこれらを除いたほうが食感はいいようです。ちなみにバッタは苦味が強くちょっといただけないそうです。
 ところでイナゴとバッタはどう違うのかとよく聞かれます。イナゴもバッタも分類上はバッタ目バッタ科の昆虫です。と言うことはイナゴはバッタの一部と言うことになりそうです。バッタの仲間はイネ科植物を食べますが、イナゴは主としてイネ科の稲を食べることでも区別できます。更にイナゴを手にとって腹側を見ると、左右の前脚の間に突起が見られますがバッタにはこの突起がありません。イナゴは食用になるが、バッタはならないというのも一つの区別法なのかもしれません。
dsc_0348
dsc_0435
▲コバネイナゴ成虫
▲コバネイナゴ(前脚間に突起あり)
dsc_0453
▲ショウリョウバッタ(前脚間に突起なし)