シラン(№187)

 4月~5月にかけて、シランの花が咲きます。ランの花は通常その豊富な花粉や蜜、匂いで受粉昆虫を呼び集める虫媒花です。しかし、シランの花には蜜や匂い,そして昆虫たちが食べられる花粉もありません。しかし、昆虫たち(主としてハナバチ類)は、いかにも蜜がたくさんあるよといわんばかりの花弁の模様に引かれてやってきます。花の奥に潜り込んだハナバチたちは蜜や花粉を求めて探し回りますが、何もないことにがっくりして後退します。その時、ちょうどハナバチの背中に当たる部分の葯(花粉の入った袋)が開き、接着剤(粘液)付きの花粉の塊をハナバチの背中に貼り付けます。ハナバチはただ働きとも知らず、背中に花粉の塊を乗せ、次の花に向かいます。このような仕組みで、シランは種子生産に成功しています。

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▲シランの花
▲シランの花粉塊


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