キリウジガガンボ(№219)

 田植えシーズンが近づくと、草むらに大きな蚊のような昆虫が見られるようになります。
 これは蚊の仲間ではなく、ハエの仲間のキリウジガガンボといいます。カトンボ、アシナガトンボ、イネノネキリムシなどと呼ばれることもあります。体長14~18mm、翅の長さ20mmほどの大きな昆虫で、灯火に集まりやすく、夜間窓を開けていると室内に飛び込んでくることもあります。大きな蚊のように見えますが決して人の血をすったり刺したりはしません。
 かつて、稲が水苗代で育苗されていた頃は、イネの幼芽、幼根を食害する大害虫でしたが、箱育苗(機械植え用の育苗)が普及するに従って害虫の座から退いた昆虫です。ただ、現在でも湛水直播される場合は防除が必要なようです。
幼虫は、うじ虫型で体を半分に切ったように見えるためキリウジと呼ばれます。湿地に産卵し、幼虫は水中で腐った植物や植物の新芽、幼根を食べて育ちます。
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キリウジガガンボ
◀交尾中のキリウジガガンボ