ギンリョウソウ(№331)

 植物は炭酸ガスと水を材料に太陽エネルギーを使って炭水化物を合成します。しかし、植物の中にはズボラ者もいて、自分で合成するのをやめ、他人から必要な養分を横取りするものがいます。山道の落ち葉の下から、長さ数cm~10数cm程度の真っ白な茎が立ち上がっていることがあります。これはギンリョウソウといい、シャクジョウソウ科の多年生植物とされていましたが、新しい分類ではツツジ科の多年生植物に分類されています。腐生植物と言われますが枯葉の腐植などから養分を吸収することは出来ません。樹木と共生しているベニタケ属の菌類に寄生して有機物を得ています。つまり、樹木が作り出した養分を、菌を介して受け取っていることになります。
 真っ白な茎の先端に、やや下向きのこれも白い花を1個つけます。花の中には紺色がかった柱頭とその周辺に黄色味がかった葯が見られ、ハナバチなどが受粉させるようです。秋に蒴果(上部が蓋状に開く果実)の中に種子をつけます。白い茎に付いた鱗片状のものが葉で、炭酸同化をしませんのでこれも真っ白です。
 全身白一色に見えるためユウレイタケとも呼ばれます。

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▲落ち葉の下から顔を出したギンリョウソウ
▲ギンリョウソウの花


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