イチョウー2(№308)

 秋の気配を感じる頃、早い時期から黄葉が見られる樹木にイチョウがあります。イチョウは既にイチョウ(№.134)で短枝と長枝があることを記載しましたが、今回は葉についてみてみましょう。
 イチョウは国内の街路樹としては最も多く利用されている樹木の一つで、大阪府をはじめ多くの都府県、市町村の木として親しまれています。ところで、イチョウの葉は中央に切れ込みのある扇型が最も一般的な形です。この切れ込み方にはいろいろあって、写真のように深いものから殆ど切れていないものまでが見られます。しかも同じ木の中でいろいろ見られ、若い枝には切れ込みが深い傾向があるようです。イチョウの葉の葉脈は2双性葉脈といわれ、葉柄から先へ行くにしたがって二股に分かれますが、決して隣の葉脈と繋がらないのが特徴で、花を咲かせる樹木ではイチョウだけに見られる特徴です。
 イチョウの種子は銀杏(ぎんなん)と呼ばれますがぎんなんにはギンコール酸と呼ばれる化合物が含まれ、人によってはかぶれることがあります。葉にもギンコール酸が含まれかぶれることがあり、本にはさんで防虫効果(シミ対象)を期待することもあります。 イチョウは幹から葉が出ているように見えることもありますが、この葉も短枝に付いているもので、短枝が短いため目立たないだけです。
 イチョウは雌雄異株ですが、雌株はぎんなんをつけ、臭い、汚いできらわれるため街路樹には雄株を植えつけることが望まれます。しかし、外見から雌雄を区別することは不可能ですので、雄株の根を挿し木し、雄の苗を増やす手段がとられています。それでも、街路樹に雌株が見られるのはなぜでしょうか。
(*写真をクリックすると拡大されます)
いちょう1
いちょう2
▲黄葉をはじめた街路樹のイチョウ
▲いろいろな切れ込みのイチョウの葉
いちょう4
いちょう5
▲幹から葉が出ているように見える
▲道路に落ちた銀杏
いちょう3
◀︎イチョウの葉脈(2双性葉脈)


ページトップへ