トラマルハナバチ(№309)

 山道を歩いていると、ツリフネソウが咲いていました。このツリフネソウの花を次から次と訪ね蜜を吸っているハチがいました。トラマルハナバチです。
 体長20mm程度の大型のハチで、体中に細かい毛を密生し、いかにも花粉を媒介するハチの様相を呈しています。ハナバチの仲間は、筒型の花の中に頭から潜り込み吸蜜することが出来ます。したがって、筒状の花の最も奥に位置する距(花の一部が筒状に変化し蜜を蓄えるようになった器官)を備えた花からも吸蜜することが出来ます。一方、ハナアブの仲間はホバリング(空中に停止し吸密する)しながら吸蜜するものが多く花粉媒介にはあまり役に立たない場合もありますし、クマバチなどは距の外側を噛み破り中の蜜を吸蜜します。これらは花粉媒介の役に立たず蜜だけ採るため「盗蜜」と呼ばれます。
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ツリフネソウに潜り込んで吸蜜中のマルハナバチ
マルハナバチ(標本の写真)
▲ツリフネソウに潜り込んで吸蜜中のトラマルハナバチ
▲トラマルハナバチ(標本の写真)