シモフリスズメ(№275)

 10月、シマトネリコの木に体長70~90mmの大きないも虫がついていました。しきりに葉を食べています。シモフリスズメの幼虫のようです。間もなく土中に潜り、蛹で来春まで冬を越すことになります。
 5月頃から羽化し、年2回の発生です。幼虫は全体に淡緑色で、体の側面に顕著な白色で斜めの筋が7本入っています。また、尾端近くにはスズメガ幼虫の特徴である尾角(しっぽにある角)が見られます。食草は、ゴマ、クサギ、ハマゴウ、ムラサキシキブ、キリ、モクセイ、ネズミモチ、イボタノキ、ハシドイ、ヒイラギ、オリーブ、シソ、ノウゼンカズラ、ガマズミなど多種類におよび、庭木の害虫でもあります。
 ところでいも虫と呼ばれるこれらの幼虫は、頭部に大きな目玉模様がありますが、これは「眼」ではなく眼状紋と呼ばれる模様です。いかにも大きな「眼」をした虫に見えますね。では、頭の部分に見える「眼」のようなものはなにでしょうか。よく見ると毛も生えています。ここには、あごを動かす筋肉が詰まっていて「眼」ではありません。本当の「眼」は、左右に3個ずつの個眼と呼ばれる「眼」があるのみで昆虫の成虫が持っている複眼はいもむしにはありません。
 いも虫の脚も面白いですね。脚は体の前方部分に3対(胸脚・歩脚)、後半に腹脚(疣脚・イボアシ)が4対、最後の部分に尾脚が1対あります。
(*画像をクリックすると拡大されます)

◀シモフリスズメ幼虫


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