カラスノエンドウ(№258)

 カラスノエンドウはその托葉(細かく分かれた複葉の基部にある小型一対の葉)に花外密腺(花以外で蜜を分泌する腺)を持っています。この腺から蜜を分泌し、アリがその蜜を求めにやってきます。アリは蜜をもらう代わりに、カラスノエンドウの害虫を追い払うといわれています。
 ところでアリはアブラムシを守り、アブラムシから甘露を手に入れることが知られています。そのため、アブラムシはアリマキ(アリの牧場)と呼ばれるほどです。
 さて、アブラムシはカラスノエンドウにも寄生します。カラスノエンドウにアブラムシが寄生している場合は、アブラムシは明らかにカラスノエンドウの害虫です。とすると、アリはアブラムシを追い払うのでしょうか。観察している限りでは、そのようなことは見られず、アリは、カラスノエンドウの蜜も、アブラムシの甘露も享受しているように見えますが。
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▲托葉の裏の黒い部分が花外蜜腺 円内は吸蜜中のアリ
◀カラスノエンドウに寄生中のアブラムシ