ヤマウツボ(№582)

 5~7月、関東以西の落葉樹林下でやや湿ったところに見られる寄生植物にヤマウツボがあります。カバノキ科、ヤナギ科、ブナ科などの落葉高木の根に寄生する多年草です。土中に根と地下茎があり地下茎にはうろこ状の葉の痕跡が残っています。寄生植物ですから葉緑素は持たず、自身は光合成もせず根を他の樹木の根に絡ませ、そこから養分を吸収しています。地上には、ほそいトウモロコシの芯のような10~30cmの花茎を伸ばし、やや赤紫色を帯びた1.5~1.7cmの筒状の多数の花を穂状に付けます。花には白毛を密生します。
 その不思議な生態や発生数が少ないことなどから植物愛好家の一部には大変貴重なものですが、カタクリやイチリンソウなどと比べ地味で興味を持つ人が少ない植物です。
 海岸草地にはハマウツボと呼ばれる青紫色の花をつける近縁種が見られることがあります。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ヤマウツボ
▲ヤマウツボ
▲ヤマウツボ
▲ヤマウツボ

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