コアオハナムグリ(№578)

 5月になれば柑橘類の花が咲く季節となります。柑橘類の花は、目立つ白い花弁と香りで昆虫類を集め受粉をさせていますが、よく集まる昆虫にコアオハナムグリと呼ばれる10~14mm程度の小型のハナムグリがいます。翅は銅緑色に白点があり腹部は黒褐色をしています。
 日本全国に分布し、3~11月にいろいろな花の花粉や蜜を食べています。コアオハナムグリは前翅を少し上げ、隙間から後翅を広げて飛びますがあまりうまく飛べません。そのため、一度たどり着いた花では歩行しながら花粉や蜜を捜し歩くようで花粉の媒介昆虫としては非常に有用な種類と考えられています。しかし、その脚には棘があり、花に潜り込む際に果実(子房)の表面に傷をつけることが多く、果実栽培では商品価値を落とす害虫とみなされています。
 幼虫は朽木や腐葉土などを食べて育つ白色、円筒状の蛆虫で、卵から成虫になるのに1~2年かかるようです。よく似た仲間にアオハナムグリやハナムグリがいますが、いずれも大型で、ハナムグリは毛が多いことで区別できます。
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▲コアオハナムグリ
▲コアオハナムグリ
▲コアオハナムグリ
▲アオハナムグリ

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