カラスウリ(№533)

 冬になると、長さ5~7㎝の赤いウリが雑木に絡んでぶら下がっているのを見ることがあります。カラスウリと呼ばれるウリ科カラスウリ属のツル性多年生で雌雄異株の植物です。中国、日本原産種で本州、四国、九州に自生します。
 7~8月の日没後、直径7~10㎝の白い花を開きます。5弁の花弁の先は白いレース状に裂け、ガクは癒合し6cmもある筒状となっており、その構造は夜間活動し口吻の長いスズメガに対応しています。花後、縞模様の付いた青い果実がなり秋には縞も無くなり全体が赤く色づきます。多くの果実はそのまま春先まで残り種子を散布します。名前はカラスウリですが、カラスも食べないようです。
 種子は打ち出の小槌の形をしており縁起が良いとされ財布に入れておくと金運が付くといわれていますが・・・。またこの形はおみくじや結び文の結び方にも似るところからタマズサ(玉章)の別名でも呼ばれます。
 根は塊根ででんぷんが天花粉として利用されました。芋から毎年発芽するだけではなく、ツルが地上に接すると不定根を出し栄養繁殖もします。
 若い葉は茹でて和え物に、青い果実はゴーヤ同様に、赤く熟した果実はシロップ漬けにして食べられるようです。また果実、種子、塊根は漢方薬として利用されます。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲竹藪に広がった果実
▲赤く熟した果実
▲果実の中の種子

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