アケボノソウ(№526)

 9~10月、谷川沿いのやや湿った路傍に花開く山野草の一つにアケボノソウがあります。キツネノササゲ、ヨシノソウ、ヨシノシズカ、シノノメソウなどの別名で呼ばれることもあります。2年草で、1年目はオオバコのような根生葉のみで、2年目に茎を伸ばし花を付けます。北海道から九州まで分布しています。
 草丈50~100cmで直立し、枝分かれします。茎の断面は4角形で、長さ5~12㎝の葉を対生します。葉の付け根から花柄を伸ばし先端に直径1.5~2cmの白い花を付けます。リンドウ科センブリ属で花冠は通常5裂しますが基部は筒状に合着しています。白い花冠(通常5枚ですが3~8枚と変化が多い)のそれぞれに2個の黄緑色密腺と多数の濃緑色小斑点があり、これらの小斑点を夜明けの星空に見立ててアケボノソウと呼ばれるようです。花弁の中央よりやや先端寄りに密腺を付ける構造の植物は珍しく、アリが吸蜜によく来ていますが、アリでは花の中央に直立した柱頭に届かず受粉の役には立たないと思われます。秋から冬に咲く花には白色が多いのはハエの仲間を呼ぶためと言われますが、ハエやアブであれば、頭部で密腺から密をもらい、尾部で花粉の媒介の仕事もできるでしょう。学名のSwertia bimaculataのbimaculataは2つの斑点を意味します。
 美しい山野草ですが栽培はむつかしく谷筋にひっそり咲く姿を楽しみたいものです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲アケボノソウ
▲アケボノソウ(花冠5裂と4裂が見られる)

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