ホトトギス(№524)

 晩夏~秋になれば半日蔭の林縁、傾斜地にホトトギス類が花を付けます。ユリ科ホトトギス属の多年草で葉は互生し、草丈30~60㎝です。葉及び茎には毛が生えます。日本には13種、うち11種が日本固有種であるところから日本原産の植物と考えられています。
 関西にはセトウチホトトギス、ヤマジノホトトギス、奈良、和歌山の一部にキイジョウロウホトトギスが見られます。キイジョウロウホトトギスは岩場に多く茎は下垂し黄色い花を付けます。山道などでよく目にするのはセトウチホトトギスかヤマジノホトトギスです。茎は直立し、花の花糸、花柱に紫色の斑点があり、花被基部が黄色を帯びるのがセトウチホトトギスで、花糸、花柱に斑点がなく花被基部が黄色を帯びないのがヤマジノホトトギスです。ヤマジノホトトギスの方が高地にみられるようです。
 最近園芸種が多く出回っています。野生種でも写真のように非常に赤いものから白いものまで見られますし、タイワンホトトギスとの交雑種などもホトトギスの名前で販売されているようです。
 さて、ホトトギスの名前は鳥の一種であるホトトギスの胸の模様が花の花被片にみられる紫色の斑点に似るためと言われていますが、鳥の方は黒い横縞模様、花は紫色の斑点です。似てないと思いますが。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲セトウチホトトギス
▲セトウチホトトギス(花糸、花柱に紫斑、花被基部は黄色)
▲セトウチホトトギス(紅色の濃い花)
▲セトウチホトトギス(白色の濃い花)
▲ヤマジノホトトギス(花糸、花柱に紫斑なし)

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