コウヤボウキ(№515)

 キク科の植物は殆どが草本に分類されますが中には木本に入れられるコウヤボウキがあります。キク科コウヤボウキ属の落葉低木です。樹高は50~100㎝で草本と区別がつきにくいのですが、草本の多年草では冬季間地上部はすべて枯れてしまいますが、木本の枝は枯れずに春になると芽吹くことから区別されるようです。厳密には形成層の有無あるいは木部組織が年々増殖するかしないかなどにより区別するようですが、草のようなフッキソウや幹が太らない竹も木本に入れられますのであまり神経質に考えないようにしましょう。
 関東以西の山地林縁などの日当たりの良いところに育ち、秋(9~10月)に当年枝の先端に頭花を1個付けます。頭花は長さ1.5cm程度の筒状花10~13個が集まったもので雄性先塾の花です。オシベは集約雄蕊で筒状になり、花粉が出終わった後中央からメシベが出てきます。冬季、タンポポ同様に毛(冠毛)をつけた果実が飛散します。
 初夏には、地際からたくさんの当年枝を出しますが、前年枝には細長い葉が束生し、当年枝には卵形の葉が互生します。
 コウヤボウキの名前は、高野山でこの枝を束ねたものを箒として利用したことから付けられたものです。また、正倉院の御物の一つである子日目利箒(ネノヒノメドキボウキ)はコウヤボウキの枝を使っているそうです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲コオヤボウキの大株
▲コウヤボウキの花
▲コウヤボウキの葉(上の枝:当年枝、下の枝:前年枝)

homeへ


ページトップへ