ハシビロガモ(№501)

 冬の間、各地の溜池は越冬のためにやってきたカモたちで賑わいます。中でも一風変わった嘴をもったカモを紹介しましょう。
 たくさんのカモたちの中で頭が緑色に輝き目立つ大きな嘴をしたカモで、ハシビロガモと言います。これは嘴(クチバシ=ハシ)の幅が広くショベルのような形をしていることから名づけられたものです。英語名はshovelerと言い、やはり嘴の形からきています。
 オスの頭は緑、胸は白、腹は黄褐色で目は金色、嘴は黒褐色、脚はオレンジと色のメリハリのはっきりしたカモです。雌は他のカモと同様に地味な茶褐色ですが嘴はオス同様にショベルの形をしています。
 このカモは他のカモたちと違い水中にもぐることはありません。首を水の中に突っ込み、尻と足を水面に出す程度しかもぐりません。餌は、植物質中心の雑食性で、水面に浮かぶプランクトンなどを中心に食べているようで、大きなショベルで大量の水をすくい取り、口の側面に生えている櫛で餌をこしとって食べています。よく見ていると嘴の付け根から濾した水が流れ出しているのが見られます。このように水面近くに浮いている餌を食べるため、数匹、あるいは数十匹のハシビロガモが一団となって、円を描きながら脚で水をかき回し餌を浮き上がらせながら採餌している姿が見られます。このような習性から、メグリガモ、クルマカモ、マイガモ等と呼ばれることがあります。
 ハシビロガモも暖かくなるとともに、ユーラシア大陸や北米など高緯度地域へ帰り繁殖します。他のカモたち同様、間もなく帰ることでしょう。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ため池のカモたち
▲ハシビロガモ(左:雄、右:雌)
▲ハシビロガモ
▲集団で回りながら餌を取っているハシビロガモ

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