コアジサシ(№475)

 日本で繁殖するために夏鳥として渡ってくる鳥たちがいます。ここで紹介するコアジサシもその一つです。
 コアジサシはチドリ目カモメ科アジサシ属の小鳥です。全長24~28cm、開長53cmでツグミやヒヨドリとほぼ同じ大きさです。飛ぶ姿は嘴をまっすぐ伸ばし、翼と尾はツバメのようにとがっています。日本へは3~4月にフィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア北部から数千キロを渡ってきます。夏は全体にうすい灰色で、頭が黒く、額、喉、腹は白く、嘴黄色、脚橙色のきれいな鳥です。
餌は小魚ですが、上空でホバリングして狙いをつけ水中へダイビングして魚をとらえる姿が見られます。
 河原や海岸の裸地に営巣コロニーを作り、僅かな窪みをつけた巣に1~4卵の卵を産みます。写真はハマヒルガオが点々と生える海岸に作られたコロニーの中の一つの巣です。卵は約20日間抱卵され、孵化幼鳥は約20日間地上で親から餌をもらって大きくなります。このような環境で育つため、卵や雛は砂地に似た小石のような模様でカモフラージュしていますが、天敵からは丸見えで特にカラス、イタチなどの餌食になるものがほとんどです。今回撮影したコロニーもいくつかの卵の孵化が見られたそうですが、その後雛の姿は全く見られず全滅したようです。渡ってきた時より少ない数のコアジサシが帰っていくのでしょうか。
 このように厳しい環境で生活しているため、生息数は減少し絶滅危惧Ⅱ類、国際希少野生動植物種に指定され国際的に保護活動が行われています。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲飛翔中のコアジサシ
▲巣(眼下の窪みに2卵)に戻った親鳥
▲巣で抱卵中の親鳥
▲小石模様に擬態した卵

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