ミカエリソウ(№451)

 秋口になると、山道脇に葉脈だけを残したレース状の葉をつけた草が見られることがあります。紅紫色の穂状の花をつけておればミカエリソウです。
 ミカエリソウは別名イトカケソウとも呼ばれるシソ科テンニンソウ属の低木です。ソウ(草)と呼ばれますが、シソ科の中で唯一冬季でも地上部(茎)が生存し、木質化する低木です。名前のいわれは、一旦通り過ぎても花の美しさに思わず見返るところから付けられたそうですが、人によって見方は色々ですね。開花は9~10月で、穂状に集まった花が下から上へ咲きあがります。筒状の花弁の先端と外へ飛び出した4本の花糸(雄しべ)、1本の花柱(雌しべ)が紅紫色でじっくり見ると美しい花です。
 葉は楕円形、長楕円形で長さ10~20㎝ですが、時々葉脈だけが残っているのが見られます。これはスギタニアオケンモンと呼ばれるヤガ(蛾)の幼虫が食害したものです。中には葉脈標本のようなものも見られます。ミカエリソウノメイガも寄生しますが、葉を巻いて食害することが多いです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ミカエリソウ(着蕾)
▲ミカエリソウ(穂状になった花が下から上へ咲きます)
▲ミカエリソウの花
▲スギタニアオケンモンの食害で葉脈だけになったミカエリソウ

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