トウネズミモチ(№419)

 11月末になると街路樹や生垣に黒いネズミの糞(といっても最近は殆ど見かけませんが)のような果実を鈴なりに付けた中木(10m程度)を見かけるようになります。果実の無い春から夏には殆ど見向きもされない木ですが、秋になると大量に果実を付けるため注目されるようになります。
 この木は中国原産の外来種トウネズミモチで、モクセイ科イボタノキ属に分類されます。丈夫で公害にも強いため1960年代から市街地の緑化に盛んに使われました。6~7月頃黄白色の花を付け、昆虫を誘引し大量に結実します。秋には紫黒色に熟し、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、シジュウガラなどの餌となり、大量の種子が鳥散布され各地で繁殖することから、今では生態系被害防止外来種としてリストアップされています。
 近縁種に在来種のネズミモチがあり、非常によく似ており外見から区別するのは容易ではありません。ただ、ネズミモチの葉は厚く、葉の裏から透かしてみるとトウネズミモチは主脈、側脈がはっきり透けて見えますが、ネズミモチでは主脈は見えますが側脈が見えない点で確実に区別できます。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲トウネズミモチの果実
▲左:ネズミモチ、右:トウネズミモチの葉

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