カヤツリグサ(№412)

 カヤツリグサという名前は雑草の中でもかなりポピュラーな名前と思われます。カヤツリグサ科カヤツリグサ属の雑草で、北海道を除く全国に分布しています。マスクサとも呼ばれます。この仲間には多数の種類があり茎の断面が三角形をしているのが特徴で、線香花火を逆にしたような花をつけます。
 この花には花弁がありません。小さな鱗片が重なって小穂を作っています。この花のすぐ下にある、長い数枚の葉のように見えるものは花を包んでいた苞です。茎の根元に葉があり、更にその下の地表または地中に短い茎があります。カヤツリグサの茎の断面は三角形ですが種子の形も三角形です。
 ところで、なぜカヤツリグサと呼ばれるのでしょうか。この植物は、どこから見ても「蚊帳」のようには見えません。また、マスクサの意味は何でしょうか。
 花を切り取ったカヤツリグサの茎を一方から縦に裂き、逆の先端5cmほど手前で止めます。次に逆の方から、先の向きと90度ずらせて縦に裂いていき、これも5cmほど手前で止めます。途中でちぎれないように慎重に裂いていくと蚊帳をつったような形(四角い枡の形)になります。ここからカヤツリグサまたは、マスクサの名前がついたそうです。昔懐かしい子供の遊びから命名されたものです。
 ヒトとの関わりは遊び材料か雑草程度ですが、古代エジプトの紙の材料としてのパピルスはこの仲間でした。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲カヤツリグサの花(直ぐ下の葉に見えるのは苞)
▲茎の断面(三角形)
▲種子(三角形)
▲茎を裂いて作った蚊帳(または枡)の形

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