タイミンタチバナ(№392)

  新分類でサクラソウ科ツルマンリョウ属の仲間にタイミンタチバナというのが在ります。以前はヤブコウジ科と呼びマンリョウやイズセンリョウの仲間で地被に近い低木のイメージを受けますが、実は10mにもなる高木です。
  雌雄異株で、3~4月頃白~淡緑色、紫色の斑点のある花をつけます。10~11月に紫黒色の果実を付け、多くは翌年までつけているようです。また果柄が短く茎に直接ついたように見えます。葉には鋸歯が無く全縁でキョウチクトウに似る線状長楕円形で艶があり、葉裏の中肋は盛り上がりますが、側脈は葉表からは見えません。本種同様の環境で育ち、葉の形が類似し、葉表から側脈が見えるのはミミズバイと呼ばれる別の種です。千葉県以西の本州、四国、九州に見られ、関西では社寺林のシイ林の下や海岸林で見られることが多いようです。種子にはラパノンを含み家畜の駆虫薬に利用され、材は硬いため薪炭材としての利用価値は高いものの他の用途にはあまり使われない樹木です。在来種ですが中国原産とみなされ大明(だいみん)国の橘(たちばな)と呼ばれたようです。

(*写真をクリックすると拡大されます)

▲社叢林(シイ、カシの下にタイミンタチバナ)
▲左:タイミンタチバナ 右:ミミズバイ
▲タイミンタチバナの蕾

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