アカタテハ(№377)

 秋になると花を訪れる蝶の中に、前翅表側にはっきりした赤橙色の帯を持った中型(前翅長3.5mm程度)の蝶が目立つようになります。これはチョウ目タテハチョウ科の蝶で、日本全国に分布し春から秋まで見られるアカタテハです。秋にはコスモス、サザンカなどの花だけではなく柿の落果や獣糞などに集まり吸汁しているのが見られます。成虫はそのまま冬を越します。
 幼虫はイラクサ、カラムシ、ヤブマオウ、アカソ等のイラクサ科植物の葉を食べます。比較的新しい葉の葉柄部分をかじり、葉の表を内側に綴り合わせて巣を作ります。この巣を開くと、中から幼虫が出てきますがこの幼虫は体中にとげを持ったケムシです。いかにも刺されそうな様相を呈していますが、手で触れても刺すことはありません。しかしイラクサに営巣しているときは、イラクサの葉の棘に注意する必要があるでしょう。老熟幼虫はこの葉の中で蛹になりますが、蛹化前に成虫になったときの脱出口として葉の下部を開けておく行動が見られます。
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▲アカソに寄生したアカタテハの巣
▲アカタテハ幼虫
▲アカタテハ成虫


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