クスベニヒラタカスミカメムシ(№374)

 晩春になると、常緑樹の多くが落葉します。クスの木も同様に落葉しますが、一斉に葉を落とすため春の落葉として目立ちます。ところが昨年、今年と夏になっても落葉が止まらない木が目立ちます。
 原因はまだ断定されていませんがカメムシの1種クスベニヒラタカスミカメムシの爆発的な発生と関係するように思われています。
 クスベニヒラタカスミカメムシは2015年、中国から近畿地方に進入したらしく日本に天敵がいないためか爆発的に発生しています。8月に入っても多数の落葉が見られるクスの木を調べると、葉に褐色の斑点が多数見られ、このカメムシが発生していることが多いことからクスベニヒラタカスミカメムシが吸汁したことで葉に褐色斑点が生じ、落葉するようです。今のところ落葉することでクスの樹勢が弱り、枯死した例はありませんが何らかの影響はあるものと考えられます。
 クスベニヒラタカスミカメムシは、体長5mm程度の紡錘形をした小さなカメムシで、拡大してみると触角が鮮やかな赤色をしているのが特長です。今後の動向に注意したい害虫の一つです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲クスの木の夏季落葉
▲クスの葉の褐色斑点
▲クスベニヒラタカスミカメムシ


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