キキョウ(№53)

 秋の花の代表として、キキョウの花もその一つに上げられます。
 キキョウの花を覗いて見ました。いくつかの花を見ると、その雌しべ、雄しべの形が、写真のように2種類あることに気づきます。
 キキョウの花は同じ一つの花の中に雌しべと雄しべを持っています(両性花といいます)。両性花は自身の花の花粉で受粉する機会が多くなります。これでは遺伝的に環境抵抗の弱い個体を作ることになります。一般的に花は、自身の花粉で受粉する(自家受粉)のではなく同種他花の花粉で受粉する(他花受粉)ことを望みます。
 キキョウは自家受粉を避けるため、雌しべ、雄しべの成熟時期に差をつけました。写真右は若い花で、雄しべが熟し、花粉が出ています。この時、雌しべは未熟で受粉できません。やがて雄しべがその機能を終わる頃に左の写真のように雌しべが熟し受粉可能となります。この時、自身の花粉はもうありませんので他花の花粉で受粉することとなります。
 このように、両性花で雄しべが先に熟し、雌しべが後で熟すことを雄性先熟といいます。
(*写真をクリックすると拡大されます)
◀キキョウの花


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