チュウレンジバチ(№91)

 バラの葉にイモムシがついていました。しかしこのイモムシは、これまで見てきたチョウやガの幼虫とはちょっと違っています。一見しておかしいのはお尻を上に上げたり、ぐるっと巻いたりしていることです。チョウやガの幼虫は腹の脚(腹脚。成虫になるとなくなり、幼虫の間、ものにつかまったり歩く補助役の脚。)は2~5対ですが、写真左下のイモムシは8対あります。しかも、この腹脚には爪がないため、ものにつかまるのが苦手です。そのため腹部を上げたり、ぐるっと巻いたりしていることが多いのです。
 このイモムシは、チュウレンジバチの幼虫です。バラの茎に縦長の割れ目を入れ、その中に卵を産みます。この傷は目立ちますが、これでバラが枯れるようなことはありません。孵化幼虫は、集団で葉を食害しますので、この時期に捕殺するか殺虫剤を散布して防除します。
 なお、バラにはチュウレンジバチによく似たアカスジチュウレンジバチが寄生します。この2種の区別は幼虫ではむつかしいようです。

 

▲チュウレンジバチ幼虫
▲スギドクガ(チョウ目)幼虫の腹脚(5対)
▲チュウレンジバチ(ハチ目)幼虫の腹脚(8対)


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