植物力を活力に


2009年11月17日

自分がつい目を留めてしまうのか、はたまた、絶対数が多いのか。
巷で見聞きすることに、暗い話が増えました。
私たちの仕事は多分世の中が平和で、人の心に余裕があるときに
より効果的なものだと思います。
残念ながら、「植物どころではない」人が増えてきているような気がします。
ただ、日々生きていくのに、食料が必要なように、
心の糧というものも無ければ、息が詰まりそうな思いを感じます。
まあストレスの緩和の方法は人それぞれですが、植物は身近な存在です。
手前味噌ですが、多忙や、精神的に疲労の溜まりやすい方の中に、
植物相手の時間を結構取っておられる方も多いようです。
私の場合は、それが仕事になっているので、植物は心安らぐ対象ばかりでは
ありません。ときに、大量の苗の発注や、植え込み時期になると、
夢の中にまで、植物が出てきます。夢判断によると
『季節の花が咲く…運気や調子が良好。みごとな成熟。目標貫徹』だそうですが、
私には日常の延長が夢になっただけなのか、当ったためしはありません。
そんな私でさえ、けなげに生長し、変化する植物に心惹かれます。
日本人は、昔から、季節の移り変わりを、植物を通して感じてきました。
同時に気候や、鳥、虫、月などの自然界との関わりもそれに合わせて
意識しています。「花鳥風月」の中の花は「花鳥」というセットの言葉です。
どんな世の中であろうと、植物のある暮らしが心の癒しにつながれば良いのに、
と思う今日この頃です。

週明けの作業


2009年11月9日

今日の作業は二手に分かれました。
大道筋の除草組と、個人邸の高木の剪定です。
大道筋は街路の中でも比較的きれいな方だと思います。。
それでも、今日は久々に扱いにくいゴミ?でした。
きれいにしていくためには逆のものと向き合わなければなりません。
個人邸の方は、動物好きのNさんのお宅です。
お庭の真ん中にウサギのケージがあって、ペアのウサギが入っていました。
下見の日にウサギを見ながら、「以前帰宅途中公園に捨てられていて。
野犬にやられると気になって連れ帰ったのが初代です。
それから、つがいにしながらずっとこの庭にウサギがいます。
他にも猫や、鳥や犬も飼っているんです。」と言われました。
何気なく、アンズの葉を取って与えたり、カキの実を与えたり。
ウサギはおいしそうにかじります。冬場はビワの葉が
餌として活躍するそうです。ただちょっと樹木の成長が過ぎるようです。
1畳ほどのスペースのケージに蔽いかぶさるような枝についた
カキの実はまるでオレンジ色の滝のようです。
その横にはボリュームこそカキに負けていましたが、
のびのびと育って、2階の屋根に届きそうなアンズの木。
ビワの木は端っこで、ワッサワッサという感じに葉が茂っています。
「他の木も垣根も思いきり切り縮めてください」
とのことでした。たわわなカキの実は収穫した後
私たちにもいただくことになりました。
作業は二回に分けて、今日はその中の高木の剪定だったのです。
高い木は登って剪定する場合もありますが、今回のカキは昔から
『カキの木から落ちたら死ぬ』と言われるように、いわゆる
ポキっと折れやすい木です。K専務曰く「たぶん他の木のようにバランスを
崩してから他の枝をつかむたわみの時間が無くてそのまま落ちるから」
だそうですが。そのため一番高いはしごをもっていきました。
もっとも熊本の山育ちのA子さんによると、子供の頃は採る人もいない
鈴なりの柿の木に登って、実を投げ合って、まさに「サルカニ合戦」
そのものの遊びをしたそうです。
作業は樹上の男性人と地上の女性陣とに分かれました。
ばっさばっさと枝葉や実を落としながら、庭の1/3近くを木陰にしていた
緑の蔽いの代わりに秋空が見えます。
2t車に積んだ枝葉と、頂いた、袋詰めのカキの実を持ち帰りました。
持ち帰った小ぶりのカキは一斉収穫だったので、熟し方は色々です。
種の入った果肉に黒い点々がたくさん入っていて、なつかしい味でした。

霜月です


2009年11月4日

木枯らしが吹いて一気に寒くなるかと思ったら、今日は小春日和の陽気でした。
つい油断して、秋まきの種をまき損ねて焦っていたのですが。
チャンスの再来に今日はあわてて種まき作業です。
発芽適温が、20度前後のものの直播はこの時期の気温は微妙な境界線です。
もっと早く蒔いておけば余裕で発芽したのですが。
加温なしのビニルハウスなどを利用すれば少なくとも発芽しそうです。
植物の発芽に与える、気温の影響は大きいです。
『秋蒔きは一日でも早く、春蒔きは一日でも遅く』の先人の知恵を
ついつい、日常の予定に追われ、体感温度にだまされて?いるうちに
時期を逃してしまいます。
今年は、夏の花がやたら長く咲き続け、そうするうちに、冬の花が
市場に出始めてしまい、「秋の花が売れない」と小売の方が
嘆いておられるようです。ファッションのように、年々
季節先取りの苗物が出回る傾向もあります。
発芽適温や生育温度をコントロールしながらの生産調整も大変だと
思います。
本来の時期のときには、少し出遅れた感じのする花景色は
ちょっと残念な感じです。
気温の低下と共に、色鮮やかになり、だんだん葉の色も褪せてくる
秋の花はそれなりに、風情があります。また、開花期間の長いベゴニアも
夏場の高温時の淡い色と違った花色や葉色にもボリューム感があります。
霜に当たれば弱ってしまう秋の花ですが、今しばらく味わいたいところです。

大道筋の立体花壇

6月に植え込んだベゴニアは復活です

今年も種から育てたコスモスが満開です